ある日ふと、実家の倉庫に望遠鏡があることを思い出した。20年以上眠っていたそれを引っ張り出し、意味もなく月へ向ける。 何日もそうしているうちに、接眼レンズを通して見る月がエコー写真に写る胎児に見えてきた。 それを撮影しエコー写真に使用される感熱紙へプリントしたとき、月と胎児が呼応し、現代の私たちでは理解しえない関わりが形成されているのだと思わずにはいられなかった。 それは科学以前の、未科学の心に触れたかのような体験だった。
54P 105x148mm
■大町晃平
1990年滋賀県生まれ。東京と滋賀を拠点に活動。 歴史や科学、身近な主題を着想源にし、生命を主なテーマに扱う。 既存のメディアを用いた表現を探求している。
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