HIDDEN CHAMPION Group Art Show & NOUS BMX Discovery Tour 2026 「HIDDEN at GASBON」
2026.08.21 – 2026.09.28
このたび、GASBON METABOLISMでは、HIDDEN CHAMPIONによるグループショー「HIDDEN at GASBON」を開催いたします。
本展は、アート・スケートボード・BMX・音楽など、ストリートカルチャーを軸に活動を続けるHIDDEN CHAMPIONと、GASBON METABOLISMによる新たなコラボレーション企画です。HIDDEN CHAMPIONとゆかりの深い19名のアーティストが参加し、それぞれの作品がひとつの壁面に混ざり合いながら空間を構成します。
本展のきっかけとなったのは、2023年にHIDDEN CHAMPION20周年イベントのために制作された移動式ショップ「HIDDEN KIOSK」の存在でした。イベント後も各地で活用されてきたこの小屋をきっかけに、「この場所で一緒にイベントをやろう」という対話から、本企画が生まれました。
HIDDEN CHAMPIONは、コロナ禍に全国8都市を巡回した「DISCOVERY TOUR」を通じて、その土地ならではの人々や文化との出会いを育んできました。今回、その精神を東京とは異なる時間が流れるGASBONへと引き継ぎ、展示だけでなく、オープニングパーティーやBMXセッションなども交えながら、人や作品がゆるやかに交わる時間をつくり出します。
東京のホワイトキューブとは異なる、自然の中にあるGASBON METABOLISMだからこそ生まれる展示空間。都市と自然、展示と夏休み、そのあいだを行き来するような感覚の中で、それぞれの作品が響き合い、新たな風景を立ち上げます。本展が、アートを鑑賞する場であると同時に、気心の知れた仲間と夏を過ごすような時間となれば幸いです。
HIDDEN CHAMPION ステートメント
「この KIOSK、どうしようかな。捨てるのはもったいないよね」
2023年、MIYASHITA PARKのギャラリー「SAI」で開催した「HIDDEN CHAMPION 20周年イベント」。その時に制作した「HIDDEN KIOSK」と いう小屋がある。その名の通り、本や雑貨を売る小さな店のような佇まい だ。イベント終了後は、倉庫を持っている友人にお願いして保管してもらい、 何かイベントがあるたびに、時々引っ張り出して使っていた。2025 年 8 月 に、同じくSAIでイベントを開催した時にも稼働したのだが、久しぶりに公の場へ出てきたのに、また倉庫へしまい込んでしまうのは少しかわ いそうな気がした。そこで、GASBON代表の西野さんに相談してみた。 「置いてもいいよ。その代わり、年に一回くらい一緒にイベントをやろう」。 そんな話で快諾してもらった。そこから生まれたのが、今回のグループショー「HIDDEN at GASBON」である。
普段は、スピードの速い東京であくせくと働いている。四季の移ろいを感じるよりも早く月日が流れ、自然を感じるよりも、刺激やストレス、あるいは 二日酔いを感じることのほうが多いような日常を送っている。そんな生活のなかで、たまに GASBON を訪れると、全身の神経をフル稼働させていたつ もりなのに、実はまったく使っていなかった、忘れられた感覚がひょっこりと目を覚ます。リフレッシュする。自律神経が整う、ということなのかもしれない。そんなとき、ふと思い出すイベントがある。2020年初頭から2023年春まで続いたコロナ禍。みんながマスクをして過ごし、緊急事態宣言によっ て外出が制限され、旅行をするためにワクチン接種証明書の提示を求められることもあった時期だ。誰もが終わりの見えない不安を抱えて過ごしていた。そんななか、僕らは緊急事態宣言が解除されたタイミングを縫うようにして、「DISCOVERY TOUR」というイベントを行っていた。アートの展示と BMX FLATLAND のジャムセッションという、少し変わった組み合わせのイベントだ。金沢から始まり、福岡、鴨川、高松、大分、京都、熊本、そして神戸まで、全部で 8 都市を巡った。当時は、みんなのスケジュールもだいたい空いていた。イベントを告知するときには、「東京からやって来る」ということに対して批判を受けるのではないかと心配もしたが、行く先々で、 みんなが僕らを温かく迎えてくれた。いまとなっては、懐かしい思い出だ。
この GASBON で「DISCOVERY TOUR を復活させたい」そんな思いが、自然と芽生えた。今回の「HIDDEN at GASBON」には、あまり堅苦しい ステートメントはいらないと思った。開催期間の 8 月 21 日から 9 月 7 日は、 まさに夏の真っただ中だ。おそらく酷暑だろうし、難しい文章など、暑さで朦朧とした脳みそに届く前に溶けてしまうはずだ。テーマは、友人たちを誘った夏休み。そのくらいでちょうどいいと思った。おそらく誰にとっても、 はしゃぎすぎた夏の思い出はいくつ増えてもいいだろう。
都会を離れ、自然に触れる。馴染みのアーティストたちに参加してもらう。 オープニングパーティーと称して音楽を聴き、酒を飲む。汗をかきながらBMXに乗るライダーたちの奮闘を眺め、飯を食い、そのまま近隣に泊まる。想像するだけでとても楽しそうだ。高尚な美術作品に触れたときの、背筋が 伸びるような感覚も好きだ。ただ、僕らの日常に、そうした時間が頻繁にあるわけではない。それよりも、気のおけない友人たちと過ごす時間。その空気が自然と滲み出るような展示になればいいと思う。都会のホワイトキューブに作品を並べるような、凛とした雰囲気ではない。普段の僕らの関係性のよ うに、作品がランダムに存在し合う展示。混ざり合いながらも埋もれることのない、それぞれの個性。そのすべてが一体となった壁面から、力がみなぎってくるような空間。都会と自然のあいだ。屋内と屋外のあいだ。展示と夏休みのあいだ。そんな感覚を持った時間になれば、きっと楽しいだろう。